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事業承継士として契約を獲得する
今後の資格継続セミナーのご案内
『交流会40minutes』のご案内

事業承継士として契約を獲得する

 経営コンサルタントとして後継者育成や幹部研修などは支援経験があるものの、相続や承継全般について関わる機会は無かった。私の仕事におけるテーマ『事業継続支援』のためには避けて通れないと考えたのが『事業承継士』取得の理由だった。

 承継支援の経験が無い私は、先ず経営者がリアルに何に悩んでいるのかを知りたくて、クライアントに「御社の事業承継について、社長の考えを聞かせて欲しい」と聞いて回った。実は最初の受注はその活動からだった。

 悩んだのは価格設定。地域によっても相場感が異なるだろうし、なにより自分がどこまでクライアントに‟価値を提供できるか“がイメージできなかった。 そこで『事業承継診断』として受注。講座で習った通り、決算書3期分と保険証券などを預かり、株価評価は一緒に資格を取った同期の仲間に依頼、方向性に関しては金子理事(事業承継センター株式会社 代表取締役)に相談しながら何とか報告書をまとめた。残念ながらクライアントの根本課題である後継者不在が解決できなかった事と、社長がまだ50歳台だったこともあり、ここ迄でストップしてしまったが、初っ端に承継の全体像を知る良い経験となった。

 その後、この経験を事例としてセミナーを企画した。ここで一番苦労したのは何と言っても「集客」。人脈や名簿などの経営者リスト、SNSでの告知や所属する経営者団体でのPRなどでやっと20名弱の参加だった。参加者には士業の方もいて、この出会いが後の北海道支部設立に繋がった。セミナー集客は営業活動としてだけでなく、仲間を増やすためにも大切だと気付いた。こうした、経験した事を次の企画等で活かすといった流れをつくることは、特に新しい取組みをする上では重要なポイントではないかと思う。
講演で工夫している点は①統計データ・グラフ等はせいぜい1~2枚程度(意外と喜ばれない)②参加者に作業させる(平均健康寿命と今の年齢との‟差“や承継時期など)③事例は質より量(具体的だが詳細に過ぎない)など。
 
 営業上の拠点開拓として、商工会議所や金融機関、業界団体や民間の経営者団体など訪問先は探せば沢山あるが、実際に色々と訪問し経験した上で、自分に合ったフィールドを探すことが大事。

 『ザイアンスの法則』の中に「その人を知るほどに好意をもつ」というのがあるが、これを営業活動に活かすためには「接触頻度を上げる」工夫が大事。長期間かけてゆっくり人柄を分かってもらうのも良いが、特に最初のうちは短時間でも頻繁に接触するほうがより効果的だ。

 次に営業資料について紹介したい。まず名刺だが、自社と協会北海道支部の二つを用意している。経験則だが一つの名刺に肩書をまとめるよりも、二種類あった方が相手は興味を持ってくれるし話しが広がり易いと感じる。あとは協会パンフ、実施したセミナーレジメ、(営業活動で獲得した)業界新聞に定期掲載しているコラム記事のコピー等。*業界誌等は掲載ネタに困っている場合が多いので、公共性やトレンドを絡めた承継ネタを提供すると喜ばれる。

 そして独自の工夫としては、協会資料やデータ等を加工し直したヒヤリングシートや種類株式の一覧表、議決権、承継パターン毎のメリット・デメリットなどを準備している。情報元は裏を取りさえすればネットでも構わないが、それも必ず自分なりに加工し直す。こうするとより使いやすくなることは勿論、何よりその内容について知識を深められるのでお薦め。これは営業トークや講演などでも言えることなので、競合や公共機関などの講演や研修などに積極的に参加して、『良いところをパクる』というか『パクれるところを探す』、そしてそれを自分流に構成し直して活用するのが、成功への近道ではないだろうか。

 最後に、営業活動は仲間(できれば異なる専門領域をもつ人)と一緒に進めることが重要。コラボ企画や勉強会などの幅が広がるし、心が折れそうになる時に支えてくれる筈だから。   
 

【執筆者紹介】

吉田 潤生 氏(よしだ じゅんせい)
株式会社インプルーブ 代表取締役(事業承継士)
一般社団法人事業承継協会北海道支部 代表理事
経営コンサルタントとして31年のキャリアをもち、支援企業は300社を超える。
2020年秋に事業承継士を取得し、翌2021年4月に北海道支部を設立。同年8月に代表を務めていたコンサルティング会社を後継者に承継して退任し、9月に新会社を設立。

当記事は、2023年2月28日に資格継続セミナーで講演した内容を要約して掲載しております。
当日の講義を視聴希望する方は下記よりお申し込みください。
https://www.shoukei.or.jp/onlineseminar#KOUZA
今後も資格継続セミナーを下記の通り開催致しますので、ぜひご参加ください。

今後の資格継続セミナーのご案内

資格継続セミナーは、事業承継支援者向けのスキルアップセミナーです。

※画像をクリックすると申込ページに移動します。

【2023年5月】

開催日 :2023年5月23日(火)18時30分~20時30分
講師  :東條 裕一 氏(事業承継士・中小企業診断士)
テーマ :アカデミックな経営理論なんて誰も望んでいない ~後継者塾1,182人を通じてわかったこと~
内容  :後継者は上手な事業承継の方法を知りたがっています。 しかし、それ以上に求めているのは、経営者になったときに会社を守っていくための術(すべ)なのです。 何もわからない、自信がない彼ら彼女らにとって、机上の空論○○氏の経営理論では、心は学びきません。 会社を守るため、そして判断の軸をつくるための知識、方法論とはなにかをお伝えします。
参加費 :2,000円(税込)
     事業承継士または事業承継プランナー以外は4,000円(税込)
詳細  :https://www.jigyousyoukei.co.jp/2022/12/23825/


【2023年6月】

開催日 :2023年6月27日(火)18時30分~20時30分
講師  :辻 保司 氏(事業承継士・行政書士・社会福祉士・公認内部監査人・医業経営コンサルタント・日商簿記1級・プライバシマーク審査員補・ISMS審査員補・ISMSクラウドセキュリティ審査員)
テーマ :事業承継における行政書士の活用 ~許認可事業・法人に注意!~
内容  :行政書士は、官公署に提出する書類作成、事前相談、手続代理を業とする。ほとんどが許認可等に関するもので行政書士の独占業務となる法律に定めがあるものを除く)。その数は1万種類を超えるとも言われ、許認可が絡む事業承継は、行政書士抜きでは語れない。東京都福祉保健局医療政策部に在籍し、医療法人指導専門員として活動していた行政書士が、特に難易度の高い医業承継を例として、許認可について解説!
参加費 :2,000円(税込)
     事業承継士または事業承継プランナー以外は4,000円(税込)
詳細  :https://www.jigyousyoukei.co.jp/2022/12/23741/

『交流会40minutes』のご案内

『交流会40minutes』は、事業承継協会会員向けに、毎月11日19時からZOOMで開催している無料の交流会です。
事業承継協会会員のみ参加できます。

第25回『交流会40minutes』(開催日時:2023年5月11日(木)午後7時~7時40分)

【開催概要】
①「新米事業診断士の初めの一歩 〜セミナーデビュー〜」
志水 竜夫 氏(合同会社 緑園の街総合研究所 代表社員)
②<告知>「アカデミックな経営理論なんて誰も望んでいない~後継者塾1,182人を通じてわかったこと~」
石井 照之 氏(事業承継センター株式会社 取締役)

詳しくは、下記URLをご覧ください。

https://www.shoukei.or.jp/archives/info/1524