
<目次>
・中小企業開拓は「重く」しなくていい― AI・法人クレジットカードを活用した自然なアプローチ術
・今後の資格継続セミナーのご案内
中小企業開拓は「重く」しなくていい― AI・法人クレジットカードを活用した自然なアプローチ術
なぜ、中小企業開拓は「重く」なってしまうのか
士業やFP、保険営業に携わる方の多くが、中小企業の新規開拓に苦手意識を持っています。その理由を分解すると、おおむね次の4つに集約されます。「何から話せばいいかわからない」「専門的な話をしなければと身構えてしまう」「断られたときのダメージが大きい」「決算書を読み込み提案書を作る準備が重い」。
いずれも共通しているのは、開拓のハードルを自分自身で高くしてしまっている点です。最初から節税や融資の提案、財務構造の分析といった「重い営業」で入ろうとすれば、社長も身構えますし、こちら側も動けなくなります。
セミナーでお伝えした結論はシンプルです。「重い営業」で始めなくていい。雑談・日常の話から自然に関係を深め、そこから提案につなげればよい、ということです。その入口として有効なのが「法人クレジットカード」と「AI」という、一見すると営業とは無関係に見える2つのテーマです。
入口① 法人クレジットカードは「自然な会話」の入口になる
出張で飛行機や新幹線に乗る、接待や会食でレストランを使う――経営者は日常的にクレジットカードを使っています。ところが、そのカードに何ポイント貯まっていて、どんなサービスがあるのかを把握している社長は驚くほど少ないのが実情です。
多くの社長はカードを複数持ちながら、経営の場面では十分に使いこなせていません。「これまでのやり方を変えるのが面倒」「使える項目や金額が限定的だと思い込んでいる」といった思い込みがあるためです。しかし実際には、税金や社会保険料まで含めて幅広い費用がカード決済でき、貯まったポイント・マイルは旅行や出張に活用できます。
営業として大切なのは、この話が難しい提案ではなく、旅行やグルメ、経費といった身近な話題から始められることです。そして「マイルは誰が使えるのか」「相続できるのか」といった話題は、そのまま家族構成や資産承継のヒアリングへと自然につながっていきます。実際に、この切り口で新たな顧問先を獲得した会計士・税理士の事例もあります。
法人クレカの詳しい数字や具体的な活用テクニックはセミナー本編でお伝えしていますので、ここでは「重い提案をしなくても、日常会話から関係を深める入口になる」という点だけ押さえていただければ十分です。
入口② なぜAIが有効なのか
もう一つの、そしてこれからより重要になる入口がAIです。AIは「人間の代わりに考え、判断し、実行してくれる相棒」であり、大量のデータからパターンを学習しています。市場規模も巨大で、クラウド事業者のAI投資見込みは今後5年間で数百兆円規模にのぼります。
一方で、日本企業のAI活用には課題があります。「活用中/推進中」の企業は増えているものの、「効果が期待以上」と回答した割合は世界平均を大きく下回ります。個人レベルでも、約9割の人がAIの利用経験を持たず、「使い方がわからない」「自分には必要ない」と感じている――ここに、士業や保険営業パーソンが「教える立場」を取れる大きな余地があります。
大手金融機関は自社開発のAIを推進していますが、中小企業が使うのは汎用AIです。だからこそ、社長に汎用AIの使い方を教えられる存在が求められています。ただしAIツールは乱立し、日々更新されているため、軸を一つに定めることが大切です。セミナーでは、身近さ(Gmail・マップ・カレンダー等を誰もが無料で使っている)と拡張性(Geminiを基軸に各アプリが連動する)という2つの理由から、Googleを推奨しています。
ポイントは、いきなり営業の話をするのではなく、旅行や健康管理、情報整理といった日常の使い方から教えることです。社長にとって身近で役立つ体験を一緒に共有することが、次のアポイントや、保険・相続・事業承継への自然な橋渡しになります。
入口から「深い話」へつなげる
法人クレジットカードもAIも、それ自体がゴールではありません。大切なのは、そこから経営に近い話へ自然に移行していくことです。
法人クレカのポイントや出張・接待の話は、資金繰り、経費・固定費の見直し、成長投資へと展開します。AIの日常体験は、経営の効率化(採用文書・議事録自動化)、組織・人事課題、そして財務・事業戦略や事業承継設計へと深まっていきます。軽い会話が、本格的な経営相談の入口になるのです。
さらに、AIは社長に教えるだけでなく、皆さま自身の営業活動も加速させます。面談前の業界トレンド分析や想定問答リスト作成、面談中のリアルタイム議事メモ、面談後のサマリーや提案書の骨子作成まで、任せられる業務は数多くあります。
最後に ― 営業は「教育」である
セミナーで最も伝えたかったのは、営業とは相手を打ち負かすものではなく、価値ある情報を「教える」教育活動だということです。役立つ情報を教えるほど社長に感謝され、社長は知れば知るほど使いたくなり、結果として皆さまを頼ることになります。
法人クレジットカードとAI――どちらも、社長の日常に寄り添いながら関係を深められる、力の抜けた自然な入口です。「重い営業」から一度離れて、楽しく前向きな中小企業開拓を、ぜひ試していただければと思います。
【執筆者紹介】

花田 京(はなだ けい)
イーエフピー株式会社 取締役社長室長/Serenagi合同会社 代表社員
(事業承継士、宅建士)
【経歴・実績等】
三井住友銀行での中小企業営業、不動産ファイナンス、M&A戦略、デロイト トーマツ コンサルティングでの事業戦略・M&Aコンサルティングを経て、イーエフピー株式会社にて士業・FP向けマーケット開拓支援を実践。
その他、美容サロン経営を通じた集客、業務改善等の実践的な知見、横浜市主催の起業家支援を通じたマーケット開拓・マネタイズ支援の実績あり。
当記事は、2026年5月26日に資格継続セミナーで講演した内容を要約して掲載しております。
今後も資格継続セミナーを下記の通り開催致しますので、ぜひご参加ください。
今後の資格継続セミナーのご案内
資格継続セミナーは、事業承継支援者向けのスキルアップセミナーです。
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【2026年7月】

開催日 :2026年7月28日(火)18時30分~20時30分
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テーマ :AI時代の士業は『腕』だけでは選ばれない ~相談が途絶えない人は、何が違うのか?~
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【2026年8月】

開催日 :2026年8月25日(火)18時30分~20時30分
講師 :山崎 裕樹 氏(やまざき ゆうき)
テーマ :“経営参謀型”事業承継士×社労士の活用 ~社員が育つ!会社が伸びる! 【次世代型人事制度】のススメ~
内容 :昨今、組織や人への対応は業績を大きく左右します。経営参謀は社長と同じ景色を見ながら理想の組織図を描き、役割・権限・責任を明確にする「攻めの組織人事」を構築します。事実に基づく定量評価システムが社員を成長させ、突然の離職を未然に防ぎます。本セミナーでは、人材育成と業績向上を両立し、勝てる組織へ導く【次世代型人事制度】をご提案。仕組み作りだけでなく、習慣化まで伴走し、成功確率を飛躍的に高める秘訣を伝授します。“経営参謀型”事業承継士×社労士が、実体験に基づく成功の手法を徹底解説!
参加費 :2,000円(税込)
事業承継士または事業承継プランナー以外は4,000円(税込)
詳細 :https://www.jigyousyoukei.co.jp/2026/05/55686/



